●需要の減少と生産者不足
 今回は白菜を作り続けて40年、部会長歴も20年というベテランの原田寔さんの畑を訪ねた。
 原田さんが白菜を栽培している防府市大道地区は、以前は25ha以上の畑があり国の指定産地にもなっていた。しかし年々高齢化が進むなかで、ピーク時には100人以上いた生産者も、重量野菜であること、価格が下がっていること、食べる人が減ったこと、などの理由から離れていく人が増え、今では22人(内、大道は15人)になってしまった。(指定産地も解除されている。)
 「白菜は冬の野菜。鍋=白菜というイメージでしょ。だけどずっと暖かいから消費がなかなか増えなくて。しかも、米を食べないから漬物を食べない。遠くにおる息子の嫁に漬物いるかと聞いても『いりません』って言われるわーねぇ。」
 だが、今でもJA防府とくぢ管内(他は小野・西浦・中関など)出荷量の2/3は大道が占めている。


原田寔(はらだまこと)さん


雪の残る白菜畑


雪で作業着も濡れてしまう

 以前はキャベツやブロッコリーなどを作っていた頃もあった。しかし、輸入野菜が多くなり野菜の価格が安くなった頃、白菜に転向。その当時は産地としての面積は多かったが、人数も多かったので一人当たりの作付け面積は少なかった。今は人数が減り1人で5ヘクタールの白菜を栽培している。3箇所に畑があり、見回るのも大変。「白菜は管理作業が多いからね、3日に1度(畑が3箇所にあるので)は見回らないと。」これからは、霜の対策に覆いをしてやる作業、背丈が低くならないよう(乾燥すると短くなるそうだ)適度な水やりも必要となってくる。
 併せて、品種の試作などもおこなっている。昔は白菜といえば中が白かったものだが、今はカット販売が多いことから見栄えがいい黄色のものが消費者の人気も高い。現在「黄ごころ」という中が黄色い品種を中心に栽培しているが、今回10年という節目ということもあり試験的に葉が大きく背が少し高いという品種も植えている。

●植え付けにはボランティアの方々も
 一人で作業をするのは大変だということで、今年は一番広い畑の植え付けをボランティアにお願いしたのだとか。『旬の味ファンクラブ』から女性が8人来て作業したそうだ。白菜のように大きくなる作物は間隔をあけながらまっすぐ植えていく。間隔があけば、とうぜん難しいと思われるが、「家庭菜園をしていた人らしくて、なかなか上手に植えてくれました」と原田さん。その女性たちも、栽培に携わった縁で、時々畑の様子を見にきてくれるという。「先日もね、来られたんですよ」畑の白菜を見ながら、しばし歓談するのだそうだ。
 「昨年は植える頃に3回も台風が来て大変だったけど、今年は暖かい日が続いたし、雨が少ないからすごくきれいな緑色でね、近年にないいい出来だと思うよ」と言われた。確かに、葉がツヤツヤして輝いて見える。だが、こう続いた。「でもね、皮肉なもので、こういう時の方が安い。胸を張れるものなのに残念。需要と供給という中でしか値段がつかないから農産物は仕方ないんじゃけどね。」
 ・・・本当に仕方ないのだろうか。原田さんの言葉は胸に痛かった


広い白菜畑


中が黄色い品種が人気


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